「マンガで見るうつ病性障害」
        「うつ病」治療をわかりやすくしよう

 

このマンガは軽症の「大うつ病性障害」の診断と治療について紹介するためのフィクションです。
2012年に日本うつ病学会が「大うつ病性障害」の治療ガイドラインを公表しました。
これを紹介しつつ「うつ病」治療をわかりやすく説明するというのが、このマンガの目的です。

これまで日本のうつ病治療は診断もあいまい、治療法もあいまい、という摩訶不思議なものでした。
このガイドラインはうつ病についての疾患教育(心理教育)、支持的精神療法という
基礎的介入を重視し、科学的根拠のない大量処方を戒める内容になっており、
国際的なうつ病治療に近い内容になっています。

マンガのタイトルは「うつ病性障害」となってますが、これだと慢性の障害なども含むので、
正しくは「大うつ病性障害」です。ただ、この訳語は言いにくいのでマンガでは「MDD」と
言っています(ガイドラインでは『患者には「うつ病」と説明しましょう』とありますが、「うつ病」という言葉はいろいろな概念に拡散しすぎてしまったので、もはや科学的用語としては不適切だと私は思います)

ただし、ガイドラインはすべての治療法を網羅してるわけではないし、医師の治療がガイドラインに
沿わないといけないわけではありません。ヨガとか鍼灸とか読書療法とかいろいろな治療法は研究で有効性が認められてます。でもデータが少ない、などでガイドラインで推奨されていないだけです。
ですから、実際の治療法は患者さんが医師と話し合って決めればよいわけで、このマンガもその情報の一つとして参考にしてもらえたらいいと思います。

   
(登場人物)
奈良生雄・・奈良メンタルクリニック院長。精神科医。
 外科医である父親の意向で外科医になったが、不適  応をおこし、精神科に転向した。
 妻子あるが、理絵には以前から憧れていた。

矢崎直・・英雄の昔の恋人。外科医。

奈良英雄・・生雄の兄。外科医。父親は元教授。

宮内理絵・・心理士。生雄とグループセラピーを一緒に
 していたが、田原星也と結婚してから、生雄と
 仲違いをした。



前作は
「マンガで見る心理療法」

「マンガで見る認知行動療法」
 
 参考
文献
 (a)DSM-IV-TR精神疾患の分類と診断の手引き ・医学書院
 (b)日本うつ病学会・大うつ病性障害ガイドライン2012
 (c)アメリカ精神医学会のガイドライン2010
 (d)イギリス・NICEのガイドライン2009
 (e)「うつを克服するための行動活性化練習帳」創元社
 (f)Evaluation of outcomes with citalopram for depression using measurement-
 based care in STAR*D    Am J Psychiatry 163: 28-40,2006
 (g)心の健康問題により休業した労働者の職場復帰の手引き
 (h)うつ病リワーク研究会
 「自分でできる対人関係療法」創元社

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